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雇う人と働く人

雇う人・働く人の労働契約の基本

働く場面では「雇い主」「従業員」という言い方をよく耳にしますが、労働契約上の正式な言葉では「使用者」「労働者」と呼ばれます。
この労働契約は、必ずしも書面が交わされていなくても成立するのが特徴です。

例えば、アルバイトとしてカフェで働くとき、特に契約書を書いていなくても「店長の指示を受けて接客し、その対価として時給をもらう」という関係が生まれれば、それは立派な労働契約です。
つまり、書面の有無にかかわらず、働く・支払うという約束が交わされた時点で労働契約は成立するのです。


労働契約によって生じる義務

労働契約があることで、働く人は「労務を提供する義務」を負い、雇う側は「賃金を支払う義務」
負います。
そのなかでも代表的なものを挙げると、次のようになります。

🟩誠実労働義務 誠実に労働契約に沿った業務を行う義務
         例:上司の指示に従って、契約で決められた仕事内容を誠実にこなす。

🟩職務専念義務 職務に専念しなければならないという義務
         例:勤務時間中は私用のスマホを触らず、業務に集中する。

🟩善管注意義務 常識的に期待される注意を払う義務
         例:お客様の個人情報を扱うときに、細心の注意を払う。

🟩安全配慮義務 使用者が労働者の健康・安全を守り、安心して働ける環境を整える義務
         例:工場で働く人がケガをしないよう、ヘルメットや安全装置をきちんと整える。

そのほかにも多くの権利や義務があります。
詳細は厚生労働省のホームページでも確認することができます。


ハラスメント対策も義務

会社には「権利」と「義務」だけでなく、パワハラ・セクハラなどのハラスメント防止対策を行う責任も法律で定められています。

例えば、相談窓口を設けたり、研修を実施したりすることは、従業員が安心して働ける環境を整えるうえで欠かせない取り組みです。
経営者や管理職が正しい知識を持ち、適切な対策を取ることが、組織の信頼や成長につながります。


労働契約は「働く」「報酬を払う」というシンプルな約束から成り立っています。
しかしその裏側には、雇う人も働く人も守るべき権利・義務や、安心して働くためのハラスメント対策など大切な仕組みがあります。

働く人は自分の権利を理解し、雇う人は義務を意識する、さらにお互いの立場を理解することで、トラブルや誤解を防ぐことができます。
そして、正しい知識を身につけることでみんなが安心して働ける環境を作り、それが組織の成長にもつながります。

少しずつ意識して行動することで、職場はより働きやすく、居心地のよい場所になっていきます。
安全で快適な職場づくりは、皆さん一人ひとりの行動から生まれます。
まずはできることから、一緒に始めていきましょう。