ハラスメントについてお話を伺っていると、
「そんなつもりじゃなかった」
という言葉を耳にすることがあります。
言った本人は、本当に相手を傷つけようと思っていたわけではないことも少なくありません。
「良かれと思って言った」
「成長してほしかった」
「仕事だから必要なことを伝えただけ」
そう考えていたにもかかわらず、相手は深く傷ついたり、
大きな負担を感じたりしていることがあります。
なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。
私たちは、自分の経験や価値観をもとに物事を判断しています。
「自分が新人の頃はもっと厳しく指導された」
「自分も同じように教わってきた」
「これくらい言わないと伝わらない」
そんな経験を積み重ねてきたからこそ、今の自分があると感じている人もいるでしょう。
その経験自体が間違っているわけではありません。
ただ、そのやり方が相手にも合うとは限らないのです。
自分にとっては励ましだった言葉が、相手には強いプレッシャーになることがあります。
当たり前だと思っていた指導が、相手を追い詰めてしまうこともあります。
また、人は自分の「伝えたつもり」と、相手の「伝わり方」が違うことに、なかなか気づけません。
例えば、「期待しているから厳しく言った」という思いで伝えたとしても、
相手には「否定された」「認めてもらえていない」と受け取られたり、
反対に「少し冗談を言っただけ」のつもりでも、相手は何度も傷ついていたということもあります。
言葉を発する側は一度のつもりでも、受ける側は長く心に残ることがあるのです。
もちろん、受け取り方は、その日の体調や過去の経験、人間関係によっても変わります。
だからといって、伝える側が配慮しなくてよいということではありません。
「そんなつもりじゃなかった」という気持ちだけで、「問題はなかった」とは言い切れません。
では、どうすればよいのでしょうか。
大切なのは、自分の意図だけではなく、相手にどう伝わったかにも目を向けることです。
もし相手が傷ついていたり、萎縮していたりするのであれば、
「そんなつもりじゃなかった」
で終わらせるのではなく、
「どう受け取られたのだろう」
「これからどうすれば、よりよいかかわり方ができるだろう」
と考えてみることが大切です。
もちろん、職場では注意や指導が必要な場面もあります。
そこで大切になるのは、「言うか、言わないか」ではなく、「どう伝えるか」。
そして「何を伝えたか」ではなく「どう伝わったか」を確かめること。
「そんなつもりじゃなかった」と感じる場面は、誰にでも起こりうるものです。
だからこそ、相手を責めるのではなく、自分の伝え方や受け取られ方を振り返り
「次はどう伝えよう」と考えてみる。
その小さな積み重ねが、ハラスメントのない職場への第一歩になるのだと思います。
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小さな言葉の積み重ねが、働きやすい職場をつくります。私たちハラスメント防止コンサルタントは
皆さまが安心して働ける環境づくりのお手伝いをしています。
「これってどうなの?」や「ちょっと気になる」ことなどありましたらお気軽にお問い合わせください。
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ハラスメントは「誰かが嫌だと感じたらすべてハラスメント」というわけではなく、
きちんとした基準があります。
労働施策総合推進法や男女雇用機会均等法等で、ハラスメントの明確な基準や事業主が行うべき
義務が定められています。