NO IMAGE

ハラスメントかどうか迷う場面を見たとき、周囲にできること

職場で、誰かへの強い言い方や気になるやり取りを見かけたとき、

「今のは大丈夫だったのだろうか」
「何かしたほうがよかったのだろうか」

と、気になったことがある方もいるのではないでしょうか。

けれど実際にその場にいると、すぐに何か行動するのは簡単ではありません。

相手との関係性や職場での立場、その場の空気によってもできることは変わりますし

「気にしすぎなのかも」
「自分が口を出してよいのだろうか」

とためらうこともあると思います。


だからこそ、まずお伝えしたいのはその場ですぐに何かしなければならない

と思いすぎなくてよいということです。

大切なのは、「何もできなかった」と自分を責めることではなく、

その場に応じてできることを考えることです。


ハラスメントかどうか迷う場面を見かけたとき周囲にできることとして、

例えば次のようなものがあります。


🟩注意をそらす

その場の空気が張りつめていたり、一人が強く責められているように見えたりするときには、

いったん流れを切ることが役立つ場合があります。

たとえば

「すみません、この件を確認したいのですが」
「次の予定の時間が近いようです」

など、別の話題や用件を入れることで、その場の緊張を和らげられることがあります。


もちろん、いつでもできるわけではありませんし、無理に場を変えようとすると

かえって難しくなることもあります。


けれど、直接「それはやめてください」と言うことが難しいときでも、

場の流れを少し変えることで、相手をその場から離しやすくなることがあります。


🟩できる範囲で直接声をかける

もし安全が確保できる状況であれば、その場で一言伝えることが役立つ場合もあります。

たとえば

「ちょっときつく聞こえちゃうかもしれません」
「少し言い方が強くなっているかもしれません」
「いったん落ち着いて話しませんか」

といったように、相手を責めるのではなく、言い方や場の空気に

そっと気づいてもらうような声かけです。

その場にいる人が何も言わずにいると、本人も自分の言い方や伝わり方に

気づきにくいことがあります。

だからこそ、関係性や状況が許すのであれば

「少しきつく伝わっているかもしれない」ということを

やわらかく伝えることが、相手にとって立ち止まるきっかけになる場合もあります。


ただし、立場の差が大きい場合や、感情が高ぶっている場面では

その場で声をかけることが難しいこともあります。

無理に介入しようとすると状況が悪化することもあるため、できる範囲で大丈夫です。


🟩あとから本人の様子を気にかける

その場では何もできなかったとしても、あとからできることがあります。

たとえば

「さっきのこと、大丈夫でしたか」
「少し気になっていたのですが、何か困っていることはありませんか」

と声をかけることで、「見ていてくれた人がいた」と感じてもらえることがあります。

すぐに詳しい話をしてくれるとは限りませんし、「大丈夫です」と言われることもあるかもしれません。

それでも、気にかけてもらえたこと自体が支えになることがあります。


ここで大切なのは、無理に聞き出そうとしないことです。

話すかどうかを決めるのは本人ですし、まずは必要なときには話してよいと感じてもらえることが大切です。


🟩一人で抱えず、第三者に相談する

気になる場面を見たとき、自分の中だけで抱え込まないことも大切です。

「ハラスメントになるのかわからない」
「自分が見たことをどう扱えばいいのか迷う」

そんなときには、信頼できる上司や人事、相談窓口などに相談する方法があります。

このときも、「あれはハラスメントでした」と断定する必要はありません。

「こういう場面を見かけて気になっている」
「本人の様子が心配なので、どう対応したらよいか相談したい」

という形で十分です。


大切なのは、白黒をはっきりさせることよりも、

気になる出来事をそのままにしないことだと思います。


🟩見聞きしたことを記録しておく

もし後から相談につながる可能性があると感じたときには、

見聞きしたことを簡単にメモしておくことが役立つ場合があります。

たとえば

「いつ、どこで起きたのか」
「どんな言葉ややり取りがあったのか」
「そのとき相手がどのような様子だったか」

といったことを、自分の記憶が新しいうちに残しておくと、後で状況を振り返りやすくなります。

また、状況によっては、必要に応じて記録の残し方を

相談先と一緒に考えることが助けになる場合もあります。


大切なのは、誰かを追い詰めるためではなく、後から状況を整理しやすくしておくことです。


ハラスメントと思われる場面を見かけたとき、いつも正解がひとつあるわけではありません。

その場で声をかけられることもあれば、あとからしかできないこともありますし、

ひとりで判断しないほうがよい場合もあります。

だからこそ大切なのは、「自分にできることは何だろう」と考えることと、

気になる出来事を見なかったことにしないことではないでしょうか。


誰かをすぐに責めることではなく、傷ついているかもしれない人が

ひとりで抱え込まなくてすむように、できる形で関わること。

その積み重ねが、安心して働ける職場づくりにつながっていくのだと思います。

**********************************************

小さな言葉の積み重ねが、働きやすい職場をつくります。私たちハラスメント防止コンサルタントは
皆さまが安心して働ける環境づくりのお手伝いをしています。

「これってどうなの?」や「ちょっと気になる」ことなどありましたらお気軽にお問い合わせください。

**********************************************

ハラスメントは「誰かが嫌だと感じたらすべてハラスメント」というわけではなく、
きちんとした基準があります。

労働施策総合推進法や男女雇用機会均等法等で、ハラスメントの明確な基準や事業主が行うべき
義務が定められています。